『いつも瞳は澄んでいよう』と言うタイトルで、
イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんが講演されたのを昔聴きました。
その鍵山相談役が今年91歳で逝去されました。
今でも思い出す心に響く実話があるんです。
鍵山さんが創業した時は、自転車に日用品を積んで行商から始められました。
当時の飛び込み訪問は筆舌に尽くし難い仕打ちとも言える冷たい人ばかり、
だったと言います。昭和30年代後半のことです。
雨の日はカッパを来て自転車です。
土間にカッパのまま入ってゆくと『誰やぁ!カッパ脱がんかい!』って
罵声を浴びせられる雨の訪問。
カッパを外で脱いで、濡れながらカッパをたたみ、
玄関土間に入っても『要らん要らん!帰った帰った。』と追い出される日々。
そんなある雨の日に、外で濡れながらカッパをたたんで、玄関土間に入ったら、
そこの奥さんが『まぁずぶ濡れで寒いでしょう。これで身体吹きなさい。
こっちのストーブにお当んなさい。』と、優しい言葉と対応に、
鍵山さんはおじきをしたまま顔を上げられなかったと。
思わず涙が溢れて顔を上げられなかったんです。
そして『自分もこんな温かい人間になろう』と心に誓った。と言うていたのを今でも覚えています。
後日判ったのが、このお宅は、あの昭和初期の大歌手:藤山一郎さんのお宅だった、と。
『青い山脈』『長崎の鐘』『丘を越えて』の大ヒット曲を歌った、
藤山一郎さんです。スポーツ選手以外で初めて国民栄誉賞受賞者でもある人物でした。
ワシは、このエピソードを思い出す都度、
その時の、鍵山さんの心中を察してしまって涙が溢れるんです。
何回思い出しても、胸が熱くなって涙が溢れてティッシュで拭いてます。
今も涙浮かべながらガラケーにメッセージしています。
心洗われますねぇ、ほんまに。
心温かきは万能なり。やと思いませんか?皆さん。
皆さんは、人を先入観で見て、無下な対応してませんか?
皆さんは、心温かいですか?
今一度、心の温かさとは?を自分なりに想いに耽(ふけ)ってみてはどうですか?
高学歴だとか、大企業に勤めているとか、高収入だとか、
起業して金持ちに成っているとか、頭がいいとか、従業員数が数百人いる会社の社長だとか、
世間から優秀だとか、言われるよりも、
心温かい人物に成るよう目指す人間の方が、善い人間だと思うんやけどねぇ。
そういう社員ばかりの会社を運営しているのが実は『経営』なんだという価値観ですワシは。
『商売は、しんどい』と思いますが、『経営は、おもろいなぁ』と、成らんといかんと思う訳です。
自分の心が震える言葉のシャワーを、自主的にいっぱい(沢山)自分に浴びせるんです。
心、洗われますよ。
人間は、しょっちゅう心の洗濯をしていないと、毎日毎日微妙に垢が付着してるから。
自浄作用が起こる心の洗濯を、したらええと思うんやけどねぇ。
会社も同じです。
心の洗濯が為される社風を形成してゆきながら、経済活動をしている状態が、
本来経営と言うんです。
商売は『ちょっとした事を感じ取る能力=センス』と『戦略』ですが、
経営は『人間学であり人間としての温かさ』なんだ!という価値観で、経営しておるんです。
皆さんは、商売だけ?
それとも、経営に成っていますか?