十七、八年前に、経営者として大切な資質ベスト3は何ですか?と問われたことがあります。
正解というのはないと思うのですが、その時こう即答しました。
何を置いても第一は愛情力。
次に先見力。
三番目は吸収力。と答えました。
なぜ愛情力と答えたかと言うと「商売はセンスであり、戦略。
経営は温かさ。」が自分の心底にあるからだと思うのです。
商売は、センスがとても、重要。
センスの意味は「ちょっとしたことを感じ取る能力」です。
ちょっとしたこと=細かい事。
会社の全ての所に、
細かく目を配り、細かく心を配るから日々目に見えない変化を捉える能力が身に付いて行くのです。
長年、細かい所への目配り、心配りをして来た「気付き」が勘を培うのです。
この「勘」こそ、経営の「勘所」と成るんです。
つまり、社長の「気付き」の中で、会社というのは成り立っているのです。
だから、社長の仕事に終わりはないのです。
社員を愛する熱い気持ちが根底になければ、将来を通して充実は続かないと思うからです。
だから、経営は人間としての「温かさ」なんです。
人間としての温かさが実は、困難を克服させてくれるヒントを与えてくれるのです。
社員に生きる勇氣を与えるのです。
だから「愛情力」なんです。
次の先見力というのは、
経営者として当然のことやしね。
三番目の吸収力という言葉も、あまり聞かないと思うのですが、香川湧慈独自の言葉です。
スポンジが水を吸収するような(好むと好まざるに関わらず、という意味)素直さが経営者には大切と思うのです。
自分と価値観の違う意見もちゃんと吸収し、自分に生かして行く能力を吸収力と捉えています。
社員を愛する素直な気持ちと熱い情熱。
何十年という事業の先を見通す先見性。
どんな意見でも自分に生かして行こうとする素直さと応用力。
この三つが経営者の資質として大切なものベスト3というのは、今も変わりありません。
世の親が子供に対して想う気持ちと同じと思うのです。
我が子を愛する魂。
我が子の特性を見抜く先見性。
我が子の人格を認める、親自身の心の吸収力。
会社の経営者じゃない人も、自分の人生の経営者には変わりない訳ですから同じなんです。
だから、自分の人生経営において大切なベスト3を考えてみてほしいのです。
人生で起こる全ての問題解決のヒントが「日本的家族」を想像すれば、
見えて来る、感じて来る、と思えてならないのです。
人間の器とは「大きさ」でなく、その人の「果たすべき役割」のことを言うのです。
自分の果たすべき役割を自覚出来ていれば、大丈夫と思うのです。
皆さん、ご参考まで。