このメッセージを読んでくれている多くは、社長の立場にある人達やと思うので、
ワシが脱サラ独立自営の道に入った33年前、その時の統計では起業して10年残る会社が、約2割。
つまり100社起業したら20社しか、10年後残っていないようでしたが、今は、数%だと統計は教えてくれます。
何でなんかなぁ?と考えてたら、やっぱり、儲かりそうなビジネスで、
安易に起業しとる人達が多いからちゃあうんかなぁと。
で、ふとワシが起業した時の心境を思い出したので今週のメッセージにします。
昔、ちょいちょい聞かれたのが『香川さん、脱サラする時、不安なかったですか?』という質問でした。
ワシは即答していましたね『いやいや、不安なんて、一切なかったわ。不安やったら、脱サラなんてせえへんやろぅ。そうちゃぁうん。
希望に満ち溢れてたし成功する気持ちしか、なかったでぇ。
当時の銀行の職場は、楽しい職場やったし。
チームワーク良かったし、平気で平日年休取ってゴルフ行くし、銀行に遊びに行っきょる感じやったもんなぁほんまに。
今の銀行みたいに、お通夜か?と思うくらい銀行の窓口、和気藹々(あいあい)感やないやろぅ。
当時は、お客さんにも恵まれとったし、ゴルフか麻雀かパチンコの話しとったら、貯金してくれる話の合うお客さん多かったしなぁ。
ただ、仕事に心震えるほど燃えとったか、と言うと、それは無かったわなぁ。
独立自営の道は、絶対上手く行く!と感じるから、独立するんやん。』って話してましたね。
起業には、大きく二つに別れると思う訳ですが、
一つは、時流を見て、儲かりそうなビジネスを起業している人達。
で、そのビジネスが翳(かげ)って来たら、次なる儲かりそうなビジネスを手掛けている。
もう一つは、自分の好きな事で起業し、収益を上げて行こうと一心不乱に励んで、初志を貫き軌道に乗せて行く人達。
まぁ、その人の好みの違いというか、価値観の違いだと思う訳ですが、
いずれにしても、そこに携わる『全社員の人生の充実』を目的にしてほしいと願っておるんですワシは。
人生の充実の定義を、経営者は明らかにしてほしいんよなぁ。
その定義すら腑に落ちてない、明らかにしていないのは、
経営者としてスタートラインに立ててないんだ。と、
心してほしいと思うとるんですよ。
この定義付けは人それぞれ異なると思いますが、
まぁ、大体は『経済的豊かさ』が人生の充実という価値観なんやろうと感じています。
いつも言うてるけど、お金は『人生の充実という目的』の為の道具やからという価値観が香川湧慈なんです。
道具は、扱う人の人柄によって、善にも悪にも成るんよね。
そうやろぅ、道具自体は自分から動かへんのやから。
包丁🔪も、料理に使えば善として生きるけどやねぇ、人を刺したら凶器に変わる。
お金は、自分と周囲の人達の、人生の充実の為の道具なんだ!と、心底思えていない人達多い気がするわ。
心底やからね心底。頭では理解しとる人は多いけど、心の根底から納得していない人、ほんまに、多いよぉ。
トコトン『人生の充実とは何ぞや?』を何度も何度も自問自答して『定義付け』してほしいと、
少なくともワシの縁ある人達だけには、そうしてほしいと思うとるんです。
社長と社長の家族だけの物質的豊かさの為に会社運営しとる人達、ほんまに、多いでぇ。
会社『経営』とは言えないから会社『運営』と敢えて言います。
何べんも言いますが、お金は、大事で大切なんやけど、飽くまでも道具なんだ!と意識が変わらない限り、
いつまで経っても、物欲の檻の中から脱出は出来んと感じます。
『物欲の檻』から脱出したら、視界が変わるのに、出会う人達が、より心地好い人達に変わって来るのに、
心が澄み切って来るのに、精神性が高まって来るのに、とワシは思う訳です。
まぁ、経済的豊かさを手にしたら、視界も変わると思うけど、精神性が高まるやろうか?心が澄み切って来るやろうか?
皆さん、どう想像します?
最初は、全員と言っていいほどの人達が野心です。当たり前のことです。
でも、いつの日にか、野心が志に昇華して行かんと、社長やっとる意義が無いのよ。
魂は、躍動せんと思うなぁ。
魂の願いと現実の生活が、一直線上に成らんと、充実した人生には至らないと思うんやけどねぇ。
これは、全ての人達に言えるんですよ。
一直線上に成って歩んでいますか?!
あなたの魂は、物欲を願っているんですか?人間の本質はそうじゃないと、
思うんやけどなぁ。
野心とは、自分の要望が、自分と自分の家族だけの経済的豊かさの為に成る、想いのことです。
最初は皆、そんなもんです。それが当たり前です。
志とは、自分の要望が自分と、縁ある周囲の人達や、世の中に感動や勇氣を与える想いのことです。
ま、分かりやすく言うと。
ワシは37年前の22歳の時(銀行員5年目)に、まさしく転機がありました。
自分が本心からやりたいと思う事業を見付けたら、脱サラ独立したいという想いに駆られました。
想いが世界を変えるとワシは実感していますね。
22歳の転機があった時に、銀行の職場は楽しかったから、
おそらく定年までこの銀行に勤めるやろうという気持ちに何の疑いもなかったんですが、
仕事に心震えるほどの燃えるものが無い。と言えば、無かったですねぇ。
パチンコ、麻雀、ゴルフには、毎日心震えるほど、燃えてましたが(笑)
で、想いが芽生えて来たら、転機から8ヶ月後に現在の商売の基になっているルイボスとの出逢いが巡って来たんです。
つまり、心底想うと、巡り合わせがあるんだと実感しておるのよ。
ルイボスを初めて飲んだ時『旨いなぁ!』と感じましたね。
で、一ヶ月くらい毎日飲んでたら他のお茶類を飲んだ時、ルイボス以外飲みたくないなぁという感覚だったですね。
で、真剣に商売に成るか、考えましたよ。
そこで浮かんだのが、8Sでした。ローマ字で書くとSから始まるから、8つのSとしました。
このルイボスは、
1:将来性があるか。『ショウライセイ』だからローマ字で書くと頭が「シ」だから、Sから始まるでしょ。
2:社会性はあるか。
3:収益性はあるか。
4:市場性はあるか。
5:消耗品であるか。
6:小資本でできるかか。
7:終身現役でできるか。
8:仕事の価値観を感じられるか。
全部『シ』から始まるから、頭文字を取って8Sです。
当時のメモを今でも持ってますが、銀行は4つしか丸が付いてなかったですね。ルイボスは8つ全部丸が付いてます。
この8S色んな業種に当てはめてみても、的を射てるんじゃないかと感じますね。
脱サラする人には、ですが(後継者で大きい規模の会社や財産がある人達ではなく)お金無い訳やから、一度売って、何十年も保つ物だと、その人が中々リピーターになってくれるもんじゃないから、金に余裕が無いと、続けられません。
一度きりでは商売にならんしね脱サラ組は。
気に入ってくれたら、リピーターになってくれる可能性が大。と言うのが、
使えば無くなる『消耗品』か、どうか。なんです。
消耗品=リピーターに成り得る。です。
皆さんの仕事も、この8Sで、考えてみるのも参考になるんちゃうかなぁ、
と感じます。
心震えるような仕事で且つ、客観的に見て、努力のし甲斐があるビジネスモデルじゃないと、息切れしますよ。
より本質を探究し追求すること。焦って経済に走らないこと。
本質とは何ぞや?を追求しながら、徐々に、経済を身に付けて行く行動が、
商いの王道やと、ワシは思うとるんですが、ね。
人間の本質。商いの本質。人は、その人の人柄に付いて来るもんですよ本質は。
『人柄』と『能力』の両輪と、その高さ。
だから、エモーションの『経営根本精神』は『経営は人間学である』と、
ハッキリ明記し、毎朝全員で、唱和しています。
経営をするということは、社業を通じて、人間が幸福に生きるとはどういうことなのかを探求し、
その人の持って生まれて来た役割を自覚して、職場という舞台で果たして行くことだと考えています。
皆さんの経営とは?の定義を考えてみることを勧めたいと思った今週でした。