中小零細企業には成果主義の給与制度では、ヤル氣は上がらない。
というのが、昔からの持論です。
社員のモチベーションに影響を最も与える肝は、どんな制度を作るかではなく、
社長の人格、社長への信頼が高まっていることなんです。
『人格・信頼・尊敬・仰慕(親しみ)』です。
社員が『社長は自分達のことを大切にしてくれている』と感じていること。
社長の人格が優れている会社の社員は、モチベーションが高くなるもんです。
社長が居てくれるだけで、社員皆が安心し、心が一つにまとまる。
こういう状態でないと指揮は出来ても統率は出来ません。
指揮の出来ている社長は沢山居ると思いますが、
統率の出来ている社長が、果たしてどれくらいの確率で居るんでしょうかねぇ。
社長の人格が高い経営とは、社員と、社員の家族を大切にする。
また仕入れ先や外注先や関係している全ての人達を大切にしている経営です。
中小零細企業は、社長で決まりますよ。
社長が優秀なら社員はある意味、普通でいいんです。
社長が、会社が、社員を守るという心の根っ子が大事なんです。
だから、業績の全ての責任は社長ただ一人にあるんです。社員に責任は無いんですよ。
ここを勘違いしている世の社長連。
社員が業務で下手打っても、まず会社は潰れるもんじゃないと思うんです。
でも社長が下手打ったら会社は潰れるんじゃないかなぁ。
だから社長というのは先を見通す能力を養成する必要があるんですよ。
その源泉が『決心』なんです。
でも如何に先が見えても、経営者の『決心』がない限り、行動のしようが無いですから。
この『決心』が責任感を生みます。その責任感が工夫を生むんですね。
およそ責任感の乏しい社長には、信頼感は湧かないのが人間です。
同じ人間でも、強さが現れるのは責任感の差ですね。
例えば、女は優しくて弱い。けれど母は強い。同じ人間なのに。
母になった途端責任感が湧いて強くなるものです。責任感の差って、人間を強くも弱くもしますね。
社長も同じ。
同じ人間なのに、社長としての責任感があれば工夫する能力が身に付き、強く成るもんです。
強く成れば普通は、優しさが醸成されて来ます。
そういう社長は、業務成果主義はしないんです。
社員が安心感湧く給料や福利厚生の制度の方が、業務成果主義より断然、
会社は生き生き感が溢れると思っているからです。
皆さんはどうですか?
会社の方針に、納得しながら取り組める条件があるんですよ。
社員が、一応文化的な生活が出来る待遇にしていることです。
これなくして、如何に優れているだろうなぁと思える方針であろうと、
社員はヤル氣には中々成れないもんですからね。
昔から日本古来の名言があるでしょ。
『衣食足りて礼節を知る』です。
如何に優れた方針を発しようが、社員が衣食足りてなければ、
ヤル氣なんて起きようはずがない。というのが人間の心理です。
先ずは、食うもん食わしていますか?
着るもん着させていますか?
住む所は、人間が文化的生活を出き得る所に住まわせていますか?
これを、社長は胸に刻んでいますか?と言うことです。
じゃあ、社員の皆さんに言います。
この日本古来の名言を知っていますか?
『武士は食わねど高楊枝』
まぁ一応、世間並みに食べられるだけの待遇を、会社がしてくれとるんだから、
何でも『くれくれ』言うな!権利ばっかり言うなということです。
『社長、何とか人並みに食べさせてもらっていますから、儲けたら先ずは、
会社の借金返して下さい。自分達はその後で構いませんから。』と、
言うてみんですか、あなたの会社の社長に。
まともな社長なら、ふとん被って泣くで。
この、お互いがお互いを思いやる関係が、人間じゃないでしょうか。
経営者は常に、衣食足りて礼節を知るを胸に。
社員は常に、武士は食わねど高楊枝と心する。
これが本来です。
皆さんの会社では、この関係に成っていますか?
今コロナ経済ショックと言われていますが、
あなたが、お客さんや周囲の人達からの、あなたや会社に対しての『期待値』を、
超え続ける限りに於いて、仕事が途切れることは無いと、ワシは思うんですね。
チャンスは、どこからもたらされるか?皆さんは、どう考えていますかねぇ。
チャンスは自分に期待を掛けてくれる他人からしか、もたらされないと思うんだけど。
常に誰かから『見られている』と思って、
こんな事を期待されているんじゃないだろうかと思いながら、
誰かからの期待値を超える、思考習慣と行動習慣を身に付けたいものですね。
学生で例えるなら、成績に見合う学校を目指すんじゃなく、
『行きたい!』と思う学校を目指しチャレンジする方が、断然ワクワクして来ますよ。
会社も同じ。
成りたい理想像を描きチャレンジする方が、燃えて来るんです。
この状態を『生きている』と体感するんじゃないかなぁと、思うんです。